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2026年05月20日

【美容通必読】モール泉が温泉法の泉質10種類に入っていない本当の理由とは?

■ 「モール泉」って何者?まず正体を知ろう
モール泉とは、地中深くに堆積した植物が長い年月をかけて分解・変質した「腐植質(フミン質)」を含む温泉の総称です。名前の由来はドイツ語の「Moor(泥炭地)」で、北海道の十勝川温泉が代表的な産地として有名です。湯の色は琥珀色〜茶褐色で、かすかに甘い有機的な香りが漂うのが特徴です。見た目のインパクトはありながらも、弱アルカリ性で肌当たりが柔らかく、「美人の湯」として多くの温泉ファンに親しまれています。

■ 腐植質(フミン質)とは何か
腐植質とは、枯れた植物が土の中で長い時間をかけて微生物に分解されてできた有機物の複合体です。亜炭層や泥炭層の地下水が、この腐植質を溶け込ませながら地上に湧き出したものがモール泉の正体です。温泉に含まれる有機成分としては非常に珍しい存在であり、それ自体が学術的にも注目される貴重な成分です。

■ 温泉法の10種類はなぜ「無機成分」だけで決まる?
現在の温泉法に基づく「療養泉の泉質分類」は、塩化物泉・硫黄泉・炭酸水素塩泉など合計10種類あります。これらはすべて無機イオンやガス成分の含有量を基準に分類されています。なぜかというと、温泉法の泉質分類はもともと「治療・療養への医学的効果」を科学的に証明するために整備されたものだからです。無機成分は定量分析が確立されており、どの温泉施設でも再現性のある測定が可能です。

■ 有機成分は分析・標準化が難しい
一方、モール泉の主成分である腐植質は有機物であるため、その化学構造が複雑で、同じ「モール泉」でも産地ごとに成分が大きく異なります。全国一律の基準値を設けることが技術的に難しく、現行の鉱泉分析法指針には腐植質の定量基準が存在しません。つまりモール泉は、測定・分類の標準化ができていないがゆえに、正式な泉質名として認定されていないのです。

■ 「泉質名なし」でも価値は本物、それがモール泉の魅力
モール泉は正式な泉質名を持っていません。しかしこれは、モール泉の価値が低いということでは決してありません。北海道遺産にも選定されており、その希少性と美肌効果の高さは温泉愛好家の間で高く評価されています。公式な分類制度が追いついていないだけで、モール泉は日本が誇る独自の温泉文化のひとつといえるでしょう。
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